Pleasa ××× ...
「けんせー」
執務室の外からひょっこり顔をのぞかせる修兵。
その姿が死ぬほど可愛い、と思うのはりっぱな親バカな証拠だ。
「どうした?」
顔がにやけない様に引き締めてから振り返り、修兵を抱き上げる。
抱き上げると拳西にしがみ付き、額をぐりぐりと押し付けてきた。
何か嫌な事でもあったのだろうか、と不安が過ぎるが、それは杞憂に終わった。
「あのね、さっき、すっごく仲の良い親子見たんだ」
その言葉で、修兵が何を思ってこの行動を取ったのか、すぐに分かった。
それと同時にむず痒いような、何とも言えない気持ちに襲われる。
「(仲の良い親子を見て、俺と修兵を重ねて、甘えたくなったのか。)」
副隊長といってもまだまだ子供だ。
例え、どんなに鬼道が優れていても、お昼寝がまだ欠かせないし(しないと夕方には船を漕ぎまくって危ないのだ)、
どんなに瞬歩が上手くても、転べばべそをかく(最近は半べそで治まる様になったが)
拳西からしてみなくてもまだまだ甘やかしたい頃なのだ。
「そうか」
「でね、子供がお父さんの口に、ちゅってしてたの」
「そうか……ん?」
「ちゅうって仲が良いとしていいんだよね?俺もけんせーにしたい。ダメ?」
「え、いや…駄目じゃないが……」
甘やかしたい頃、だが、それとこれとは別で。
大きくなった時に恥をかくのは修兵の方だとは目に見えている。
果たしてこのお願いを叶えてあげるべきか否か。
「けんせー?」
なにやら難しい顔をして固まってしまった拳西を見て、やっぱりダメなのかな?と悲しくなってきた修兵。
我が儘を言ったのかもしれない、と考えて発言を取り消そうと言葉を出そうとした。
「…頬に、してくれるか?」
「え?」
「口にするには、お前はまだ早いから、頬にしてくれるか?」
「…うん!!」
拳西からの提案に曇っていた顔が、一瞬にしてぱっと明るくなった。
太陽にも負けないくらいの明るい笑顔。
九番隊の隊員はおそらく全員、この笑顔が好きだ。
小さな手で拳西の顔を掴んで、小さな唇を拳西の頬につける。
控えめなリップ音と共に離れていく唇。
「えへへ、けんせー大好き!」
照れたように笑って、照れ臭いのか、また額をぐりぐりと押し付けてきた。
その頭に手を置き、撫でてやる。
「俺も修兵が好きだ」
「じゃあ俺と、けんせーは両思い?」
「ああ、そうだな」
「やったー!」
それから…
「けんせー!」
「ん?」
ちゅっ
「修兵」
「うん!」
ちゅ
当たり前のように頬にキスをし合う拳西と修兵。
それを目の当たりにした白、衛島、笠城、藤堂。
しばし固まり、最初に復活したのはやはりとうか、白だった。
「あー!!ずっるーい!修ちゃん、白も!白もやろー!!」
「隊長、何教えてるんですか…」
「ソレ、他所とか他の隊士たちがいる所ではやらんでくださいよ?」
「仲が良いことは良いですが、家の中だけにした方が…」
四人にやんわりと注意され、しまったと思ったのは拳西だけだった。
修兵は拳西の膝の上に座ってきょとん、とした顔をしている。
「…どうしていけないの?」
純粋な目に見られて言葉に詰まる四人。
「あー、ほら、俺たちを見て羨ましいって嫉妬する奴がいるかもしれないからだ」
しどろもどろになりながら何とかまともな言い訳を出す拳西。
「そうなの?」
「さっき白が言ってただろ、ずるいってよ」
「あ、そっか…ごめんね、白ちゃん」
「え?ううん、いいよ〜」
それから、どう解釈したのか、誰もいないところでならキスをしても良いと思ったらしく、
拳西と二人っきりになると頬にキスをするようになった。
たまに失敗して衛島に見られることもあるが。
「こら!」
「ごめんなさい!」
「隊長も一緒になって何してるんですか!」
「…悪かった」
氷雨様 5569キリリク『小さな副隊長で拳+仔修のイチャイチャ』
イチャイチャってなんですか…orz
大変長らくお待たせ致しまして申し訳ございませんでした!!!!
このようなお話でよろしかったでしょうか;;
氷雨様のみお持ち帰り可です!キリリクありがとうございました!!