修兵が現場に着くとそこには既に3人が赤い海に横たわっていた。
「おい!大丈夫か!?」
3人全員に声をかけるが返事は無く。
呼吸も鼓動も無い。
事切れていることは確かだった。
「そ、んな……」
3人を前にショックが隠しきれない。
小刻みに震える手を強く握る。
そして自分の頬を叩くと残りの1人を探す為、霊圧を探す。
「…いた」
霊圧が探れたということはまだ生きているということ。
どのような状態かは分かりかねるが。
小さな副隊長
「、っはぁ!はぁ!」
どうにか虚5体と巨大虚1体は倒せた。
だが、巨大虚を倒すのに3人も犠牲になってしまった。
救援は要請したが、攻撃を避けるのがやっとな状態。
逃げる力は残っていない。
血を、流しすぎたのだ。
「っ!」
虚の攻撃に気をとられ足元の出っ張りに倒れる。
針のように鋭く先分れした腕が振り下ろされ、襲い来るであろう痛みと衝撃に目をぎゅっと瞑る。
ザン、と引き裂く音はしたものの、予想していた痛みは無い。
そっと目を開けてみると、目の前は真っ黒だった。
「…間に合ったみたいだな」
「!!」
見た目は小さくて頼り無い印象を受けがちだが、
斬拳走鬼のバランスが良く、またスピードは九番隊では一番ある、実際は物凄く頼りになる存在の彼。
肩が上下しているところを見ると、急いできたのが分かる。
「ふ…副隊長」
側に虚の腕が落ちているのを見つけ、巨大虚の姿を探すと、ちょうど消え始めている所だった。
キチン、と斬魄刀を鞘に収めた修兵が振り返る。
その姿にぎょっとした。
「それ…!!」
顔の右半分に夥しい出血。
目の上を通っている傷もあり、かなり重傷と見られる。
「自分の所為ですね…申し訳御座いません!直ぐに四番隊へ!」
「だ、大丈夫だから!俺より、たくさん怪我、してるんだから、先に…」
言葉の途中でぐらりと傾く小さな体。
慌てて受けとめるが、ぐったりと目を閉じて動かない。
「副隊長!!しっかりして下さい!」
怪我を負った逆側の頬を軽く叩くも反応はない。
しっかりと修兵を抱きかかえると、その場からなるべく近道で四番隊へと急ぐ。
隊員の名前を勝手に作るか、それとも呼ばない方向で頑張るか悩みました。